絵を描くときに
なんで雲を描くのか?
ということについて考えたことはありますか?
- 空のパースを説明する
- 見せたいもののシルエットを強調する
僕は今まで雲について
何となく上記のように考えているだけで
しっかりとした意図をもって描いていませんでした
そこで
今回の記事では
効果的に雲を配置するために
雲を描くときに意識していることを洗い出してみました
すぐに雲の形を上手に描けるようにはなれませんが
配置を意識したり、意味を考えたりするだけなら
すぐにでもできます
今まで雲について
深く考えたことがなかったという方には
新しい視点を得るヒントになると思います
パースの説明による視線誘導
![200722関屋浜](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31055499/picture_pc_b1ea447713ced371fcd8ac06845d3f77.jpg?width=800)
上図は
地平線に近づくほど筆を水平になるように筆を動かして
空のパース(雲の流れ)を説明しています
下の図は
集中線のように一点に集めるように筆を動かして
雲の流れと焦点を作っています
![200722雲のパース2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31056437/picture_pc_cf5a0254bbe732ceb886a6d057fdef68.jpg?width=800)
このように白い部分を残すようにして雲を描くと
筆のストロークで
躍動感のある空全体の流れが表現できます
アニメの「AKIRA」の冒頭シーンや
「ヨルムンガンド」で見事な雲がありました
もし、まだ意識してみたことがないという方は
ぜひ確認してみてください
ちなみに
この画用紙の地を白抜きにして描く雲を
「抜き雲」と呼んでいますが
(むかし先輩が言っていた気がします)
この雲の描き方
絵具で描くとメチャクチャ難しいです
そもそも描く機会がないというのもありますが
アニメ背景歴5年目でも
まったく描けませんでした
シルエット(コントラスト)の強調
下図は、屋根に沿って雲を配置することで
建物のシルエットを強調しています
![200729シルエットの強調](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31405841/picture_pc_e015eba635f4b991c0d7e0ebfbcfa5f1.jpg?width=800)
おそらく
初めに長屋の左上の屋根部分が目に入り
屋根沿いに右へと目が行くのではないかと思います
最初に目が行くのは
左の図は画面中央
右の図は画面左ではないでしょうか
この部分は雲との対比で
コントラストが一番高くなっています
アニメ背景会社の新人時代に
「ここに、こういう雲を描くと
建物のシルエットがはっきりしてカッコいい」と
先輩に教えられてテンションが上がりました
「確かにカッコいい、プロっぽい、すぐにでも真似したい」と
僕は雲っぽい形にすることで精一杯で
配置が重要だとは思ってもいなかったので
すぐにできる改善策が魅力的でした
季節の説明
![190811アグリコア](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31406083/picture_pc_d45fc44054011f395621b3dea0294ee8.jpg?width=800)
入道雲、イワシ雲などを描くことで季節を説明できます
上図の場合
入道雲全体で建物のシルエットを強調しています
白の基準にするため
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31408609/picture_pc_0066ed863f975981548adbeed41bd543.jpg?width=800)
雲の部分に真っ白を使うことで
建物に色が付いていることがわかります
もし雲がなければ
白い建物と感じてしまう可能性があります
額縁として使う
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31407256/picture_pc_58d94d3cc0fbbbf8c43fd66c88bab702.jpg?width=800)
上図左のように
黒い部分に雲を配置して周囲を暗く絞ることで
焦点を中央に寄せています
もし雲を配置していないと
画面の上方にも目が行ってしまいます
まとめ
もし雲を描くことに苦手意識がある人は
ただ何となく雲を描くのではなく
見せたいものを引き立てる手段として
自分で雲に役割を与えてみてください
「雲が上手く描けない」という漠然とした悩みから解放され
具体的な練習や情報収集に移ることができると思います
他にも探せば色々な役割があると思います
自分なりの雲を描く意味を見つけてください
すぐに雲の形を上手に描けるようにはなれませんが
配置を意識するだけならすぐにでもできます
風景画やイラストの入門書だけでなく
写真の入門書でも
雲の配置や構図について書いてあるものもあります
興味があったら調べてみてください