あまりにも雲が描けなかった僕は
そんなに雲が描けないんなら
いつも同じ形で同じ配置の雲を描きなさい
描きなれたらアレンジしていけばいいから
と社長にアドバイスされた結果
以下の図のように変化しました
いつも同じような雲を描くことで
- 雲の配置やリズム
- 筆の動かし方
- 絵の具の可愛き具合のタイミング
など、一つずつに集中できるようになったんです
おかげで半年くらいで苦手意識はなくなりました
この記事では僕が受けた雲を描くときの改善点
- V字に配置する
- ボケ過ぎない
についてまとめます
雲を描くときに
どういった点に注意すればいいかわからない
といった方の参考になると思いますので
最後までご覧ください
「アドバイスを受ける前の雲」について
アドバイスを受けたのは
もう15年くらい前のことなので
(アニメ背景の仕事始めて4年目くらいのことです)
それまでの自分が、どんな雲を描いていたのか
よく覚えていませんが
多分、下図のような雲だったと思います
当時は次のようなことで悩んでいました
- 筆の動かし方に規則性がないので再現性がない
- 形を整えようとして、どんどん雲が大きくなった結果
青空の部分が少なくなってしまう
雲を描くときに
絵具の乾き具合やにじみに対応するのが精いっぱいで
何度やっても同じような失敗を繰り返すばかりでした
そんな時に
そんなに雲が描けないんなら
いつも同じ雲の参考を見て
いつも同じ形で同じ配置の雲を描きなさい
描きなれたらアレンジしていけばいいから
とアドバイスされました
改善点について
社長から言われた具体的な改善点は2つ
- V字に配置する
- ボケ過ぎないように
V字に配置する
「ジグザグに配置する」だったり
「V字に配置する」だったり
言い方はいろいろあるようですが
いつも左下のノーマルのような雲の配置を参考にしていました
ノーマルの場合は
画面上の方を少しあおり気味にしたいので
明るい色で入れてあるパース面は
少し曲面になるようにしています
望遠気味のときは
雲の配置を水平気味にすることで
同じ形、同じ配置を崩さないように
していました
会社にあった背景の山の中から
描きやすそうなものを選んで描き続けた結果
身につけた雲の配置が下です
(上図の補助線なし)
描き慣れたころに
ちぎれ雲を追加しはじめました
ちぎれ雲を描き慣れないうちは
どんどん描き足してしまって
画面がうるさくなってしまいましたが
雲と雲の間の空間を説明するように
ちぎれ雲を描くように意識してからは
シンプルに描くことができるようになりました
この配置を描き続けたおかげで
- 同じような形の雲が単調に並ぶことがなくなった
- ノーマル・広角・望遠・水平・あおりが
描き分けられるようになった
ボケ過ぎないように
アニメ背景ではイラストと違って
カメラワークがあったり
画面に映るのが一瞬だったりするので
雲がボケ過ぎていると見づくなってしまう
特にアクションシーンでは
雲がボケ過ぎないように
気をつけなさいとアドバイスされました
僕は雲に苦手意識があったので
- 途中で乾かないように
水分が多い状態で雲を描いていた - 雲の形を整えるために筆を動かしすぎていた
といったことをしてしまっていて
雲の形がはっきりしていませんでした
ボケ過ぎているくらいなら
途中で紙が乾いてしまっても構わないから
シャープに描きなさい
と言われてからは
空の部分が乾き始めてから
雲を描き始めるようになりました
「雲をV字に配置する方法」の欠点
雲をV字に配置するという方法には
欠点があります
例えば
入道雲や鱗雲は配置できません
雲の配置の考え方には
いくつもの考え方があると思います
「V字に配置する」以外の考え方については
以下の記事にまとめまてあります
雲を描く理由について考えたことがないという方は
ぜひご覧ください
まとめ
毎回、雲の配置を考えながら臨機応変に描いていたときは
絵具の乾き具合やにじみに対応するのが精いっぱいで
何度やっても同じような失敗を繰り返すばかりでした
毎回、同じような雲を描き続けることは
僕にとって習得が早い方法だったと思います
しかし最近になって
画面構成の勉強を始めたら
空間の説明をするための雲の配置だけでなく
雲の配置をするための他の考え方を
身につけなければいけないなと考えるようになりました
「雲をV字に配置する」という方法は
絵具でアニメ背景を描いていた頃によく見た方法だった気がします
デジタルになってからは
以前ほど見かけなくなりました
もしかしたら
時代遅れの考え方なのかもしれませんし
アニメ背景の一部の考え方なのかもしれません
万能ではありませんが
空間表現を身につけるには最適な考え方だと思います
もし雲の配置に苦手意識がある方は
ためしに模写を何度かやってみてください
実際に手を動かしてみると
本物の雲や上手い人の描いた雲を見たときに
何か気付くことがあるかもしれません