- がんばって描き込んでも遠近感が出ない
- 絵にまとまりがなく見づらい
- 奥と手前のコントラストがチグハグになる
と悩んでいる方はいませんか?
僕も以前は下の写真のような絵を描くときに
時間をかけて描き込めば描き込むほど
遠近感がなくなっていくという失敗を繰り返しました
![画像](https://assets.st-note.com/img/1693037732906-X646Dy4SEU.jpg)
今思えば失敗の原因は
遠景、中景、近景をグループ化して考えていなかったことです
そこで、この記事では上の写真のように
同じようなものが連続している景色で
遠近感を表現しなければいけないような絵を描く場合の
僕の考え方をまとめます
結論としては
失敗していた時の考え方は下図左側のように
遠景から順に丁寧に描いていましたが
右側のように遠・中・近にグループ化してから
描きやすく、見やすい絵を描くことができるようになりました
完成した絵を見比べて
違いがわかりやすい例ではありませんが
描いているときの考え方が違うのは
一目瞭然だと思います
![画像](https://assets.st-note.com/img/1693032810379-IbzLlm60vU.jpg?width=800)
失敗例から順に詳しく説明します
「距離とコントラストを対応させる」という考え方については
以下の記事でまとめています
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/02/20230614階調数とシルエット2.5-140-320x180.jpg)
失敗例
奥から順にコントラストを決めて描く
遠景、中景、近景のグループで考えていなかったときは
遠景から順に距離に応じて光面と影面のコントラストを決めて
描き進めていました
その方法で描いた例です
![画像](https://assets.st-note.com/img/1693032789063-0X8uXicPiK.jpg?width=800)
奥から順にコントラストを決めて描く方法の欠点
奥から順に微妙にコントラスト幅を広げながら描いてくので
どうしても前後のレイヤーの色幅が近くなってしまい
メリハリに欠けてしまいます
その結果
上図の例のようにレイヤーが重なれば重なるほど
コントラスト差がわかりにくくなり
描きずらく、わかりにくい絵になってしまう可能性が高くなります
またコントラストが繊細になってしまうので
前後関係のコントラストが適切かどうかの
チェックがしづらくなります
解決策
遠中近の3層で考える
上記のような失敗をしないために
遠景・中景・近景にグループ化してから描き進めます
下の図で2つの方法を比較しました
- 左半分:遠景から手前に順に描き進める方法
- 右半分:遠中近の3層に分けてから描き進める方法
![画像](https://assets.st-note.com/img/1693032810379-IbzLlm60vU.jpg?width=800)
写真のように
遠景・中景・近景という3レイヤーに単純に分けられない場合
遠景グループ・中景グループ・近景グループとして考えます
遠中近の3層で描くメリット
メリットは遠景と中景、中景と近景などの
距離とコントラストなどの関係性をチェックしやすいことです
遠景、中景、近景と分けずに考えた場合は
上図の左側のように
微妙なコントラスト差のものがいくつも重なっているため
チェックが大変です
しかし、遠景層、中景層、近景層に分けて考えた場合
上図の右側のように
遠景層と中景層などの層同士と層内同士で
コントラストをチェックすればよくなるので
かりに同じレイヤー数であったとしても
ラクにチェックすることができます
描いている最中も
遠中近のどの部分を描いているのかが理解しやすいため
描いていて混乱することもなくなるので
他人が見ても見やすい画面になりやすいと思います
まとめ
遠中近の3層でグループ化して考えるメリット
- それぞれの距離感とコントラストの対応をチェックしやすい
- 使う色幅(コントラスト)を限定するので距離感にメリハリがつく
上図の比較画像がわかりやすいと思いますが
遠景から手前に連続的に描く場合と
遠中近の3層で分けて描く場合では
描きあがった絵に大きな違いがなかったとしても
考えていることが全然違います
参考のように
遠景、中景、近景という分かりやすい構図になっていない絵であっても
遠中近の3層にわけて考えることで
考えやすく、描きやすく、見やすい表現をすることができます
もし距離感を連続的にしか表現したことがない人は
一度、試してみてはいかがでしょうか?