この本は一言でいうと
120年の映画の歴史をフィルムやカメラ、音響など
それぞれの技術の歴史についてまとめた本です
映画は白黒からカラー、フィルムからデジタルへと
時代とともに撮影機材も視聴するメディアも変わってきました
しかし
常に最先端の機材で制作されてきたかというと
必ずしも、そうではないようです
監督によっては
カラーの時代になっても白黒で映画を撮っていたり
デジタルの時代になってもフィルムで撮っていたりします
有名監督が何にこだわって
その機材を選択したのか?
当時の技術や時代背景とともに
わかりやすく解説されています
この本では
1967年にほぼカラーになったにもかかわらず
1980年以降に白黒で撮られたフィルム作品やデジタル作品といったように
制作年だけではわからないような分類で紹介されているので
監督や撮影監督、俳優といったカテゴリーだけでなく
フィルムサイズ、スクリーンサイズ、デジタル撮影、白黒などの
映像技術ごとに見比べてみたくなります
スクリーンサイズからフィルムの構造やネガ、ポジといった現像
銀残しといった現像所ごとの技術などマニアックな内容まで
広く映画技術の歴史を追いながら
専門的になりすぎることなく
わかりやすくまとめられています
漫画と文章での解説が半々くらいなので読みやすく
図解や映画の画像も多いのでわかりやすいです
映画の勉強をしようと思っているけど
なにから見たらいいかわからないといった方は
監督や年代で映画を観るだけでなく
「映画技術の歴史を追体験する」といった視点で
映画を観てみてはどうでしょうか
違う視点から
監督のこだわりに気付けるかもしれません