備忘録として以下の2点
・作品を見て感じたこと
・背景を見て感じたこと
についてメモ書き程度にまとめます
作品について
見てもらえば
これがやりたかったんだなっていうのが
わかる映像になったと思います
といった内容のことを
映画「メモリーズ」のDVDに入っていたインタビューで
制作当時の「メモリーズ」について大友さんが話していました
また、「メモリーズ」内の「最臭兵器」についてだったと思いますが
ノリ、勢いで
最後まで突っ走るような映像にしたかった
とも言っていました
今回、初めて「老人Z」を観て印象的だったのが
血管のようなケーブル、ノリの良さ、元気な老人、オチなど
大友さんの映画ってこういう感じだよねっていう数々だったので
「メモリーズ」以前の作品である「老人Z」のころから
やりたいことが客観的に表現できているかどうかを
強く意識していたんだなと思いました
原作や脚本と監督とでは作品への関わり方が
違ってくると思いますし
ネタや編集のタイミング、オチ、これならOKというツボなど
ポイントは数多くあるでしょう
では、自分はなんで大友さんっぽいと感じたのか?
この辺を深堀する必要がありそうです
僕自身、自分の名前で絵の仕事が取れるようにと
仕事や趣味で描いた絵を
プロ、アマ問わず色々な人に見てもらって
感想や意見をもらいますが
僕自身に自覚のない部分に
良さを感じてもらっていることもあり
自分の絵の魅力って何だろう?と
戸惑うばかりです
自分の作品を主観と客観で評価できるように
もっと深堀りしなきゃなと感じています
背景について
この作品を見ていて
中盤に差し掛かったころ
美峰が関わっているだろうな
もしかしたら池田祐二さんかも
と感じた背景がありました
具体的には上図のように
光と影の間に鮮やかな色を入れてある背景があったからです
リンデングリーンを使ってるだろうと思った背景については
絵の雰囲気からも多分、美峰の仕事だろうなと
他の絵では、その鮮やかな色の部分の色の雰囲気から
レモンイエローを使っているのかも
もしかしたら池田祐二さんが描いたのかなと感じました
なんとなく、こんな色を使ってた絵を見た気がするという
なんの根拠もない感覚です
スタッフリストを見てみると
池田さんの名前はありませんでしたが
平城さん、串田さんの名前がありました
(老人Zの公開の数年後に
平城さん串田さんなど数名で美峰を始めているようです)
今では背景で明暗境界部分に鮮やかな色を入れる作風は
珍しくありませんが1990年頃では
まだ珍しかったんじゃないかと思います
いつ、誰が始めたのか?ということが気になりました
このことを調べるには
・当時の業界を知る人から話を聞く
・当時のインタビューを読み漁る
・スタッフリストから推測する
くらいしか思いつきません
この点に関しては
今後、古い時代のアニメを見ていくうえで
チェックしていこうと思います
ちなみに
アニメ背景に興味がある方は
自分が好きな美術監督が誰の影響を受けたのか
について調べると面白いと思います
具体的には
その美術監督が所属していた会社をたどっていきます
背景は自由に描いていると思われがちですが
アニメ制作は集団作業なので
基本的な考え方を統一する必要があります
考え方や色、タッチの使い方、省略の仕方など
背景会社やアニメ作品ごとに
ある程度のルールがあります
一番大きな分け方をすると
小林七郎さんの小林プロダクション出身者と
それ以外といった分け方になるんじゃないかと思います
それくらい小林さんの影響力は大きく
小林プロダクション出身の美術監督は多いです
他にも多くの美術監督や背景会社がありますが
ぱっと思いついたものを書き出してみました
現在活躍中の美術監督も
以前はどこかの背景会社に所属して
仕事を覚えた方がほとんどです
その会社やスタッフリストをたどることで
その美術監督が誰に影響を受けてきたのかを推測することができます
現在はおもにデジタルで背景を描いているので
コピペもできるため
個人や会社ごとの特徴は少なくなったと思いますが
絵具で背景を描いていた頃は
一目でどこの背景会社の作品か見分けることができました
監督や俳優で映画を見るように
制作会社や監督でアニメを見るだけでなく
美術監督でアニメを見てみると
背景スタッフのつながりから
新しい視点でアニメを楽しむことができると思います
以下はアマゾンプライムの「老人Z」へのリンクです