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数々の失敗から学んだ「木を描くときに考えていること」

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この記事を読んでいる人の中には
以前の僕と同じように
木に苦手意識がある人は多いのではないでしょうか

僕がアニメ背景の仕事で木を最初に描いたときは
頑張ればガンバるほど上図のように

  • 横並びになる
  • 同じ大きさの丸になる

から抜け出せませんでした
なにをどう考えればいいか全くわからない状態です
今思えば完全に知識不足です

 

そんな僕が失敗を繰り返し
先輩に指摘されながら身に着けた
木を描くときに考えていることをまとめます

できるだけ経験した順にまとめていますので
初心者にとっては自身の経験と比較して
参考にしてもらえればと思います

また
「やってはいけないこと」「やっていること」を知るだけでも
一段上のレベルの木を描くヒントなると思いますので
図だけでも最後までご覧ください

幹や枝ぶりと葉のかたまりに一体感がない

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団子にならないように!ということを克服できて
多少、木の形になってきたころに 指摘されたのが失敗②です

葉のかたまりと幹の太さや枝の方向性がおかしいと言われました
失敗②の1番上の作例の幹も太すぎますよね
指摘されるまで全然気づきませんでした

この時はまだ葉のかたまりと幹の枝ぶりを
バラバラに考えていたのが原因です

枝が全部幹の奥に伸びている

枝ぶりや枝の太さばかりに気を取られた結果
いつも枝が幹の「奥方向」に伸びている
という失敗をしました

指摘を受けて
「奥方向」「横方向」「手前方向」に
枝が伸びた場合の影の付き方を考えて
単調にならないように描き分けました

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枝の方向と光の向きの場合分け

上図のように
全方位の枝ぶりを場合分けすると
横方向、奥方向、手前方向
になります
それぞれ左右あるので6パターンです

毎回同じことで頭を使うのも面倒なので
これらを順光(右から、左から)、逆光(右から、左から)の
4パターンすべてを試しました

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大変だと思うかもしれませんが
一度やってみると考え方がわかるので
本番で毎回悩む必要がなくなります

頭の体操にいかがでしょうか?
意外と楽しいですよ

幹と枝の太さでの失敗

質感や枝ぶりばかりに気を取られて
枝の太さがいい加減になってしまった
ときに指摘されました

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ネットで見つけた枝わかれの太さに関するまとめです
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街路樹や公園の木は枝を剪定されていたりするので
不自然な枝の太さのものもあるようです

自分の描く木の幹や枝の太さに自信がないという人は
慣れるまでのあいだ参考にしてみてはいかがでしょうか

 

以下は参考にしたページのリンクです
枝分かれの枝の太さは三角定規で決めよう!

https://www2.kpu.ac.jp/for_ecol/Branching_ver120607.pdf

枝の前後関係を説明する明暗表現

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円柱の影の付き方の違いで
前後左右方向の傾きの違いを表現します

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真上からの光の場合
・奥へ行く枝 →順光
・手前に来る枝→逆光
になるので影の面積が変わります

言われてみれば当たり前なんですが
いざ描かなきゃいけなくなるとなかなか描けませんし
意外と思いつきません

実物だけでなく
上手いアニメ背景も見てみてください
しっかりと表現していると思います

幹や枝に面白みを加える工夫

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ズドンとした鉄パイプみたいだと
先輩に注意されたことがありました

まっすぐに見える枝や幹も
ねじれていたり角度が変化していたり
します
それを利用して鉄パイプのように
単調で直線的にならないように工夫します

枝や幹を角柱や円柱として考えるのがコツです

木の幹の表現の失敗

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上図の黒枠を画面だと思ってください
上の方の作例は円柱の一部分だとわかるでしょうか?

断面が見えなくても
どんな立体かわかるように工夫しています

もちろん実際の木は
このようにわかりやすい凸凹はありませんが
意識的にわかりやすいように描いています

枝先は上を向いている

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重みで下にさがってる枝でも
枝先は上を向いてるもんだと指摘されて以来
枝先は上を向くように描いています

自撮りはアニメーターだけじゃない

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複雑な枝ぶりを描くときは
自分の手を参考にしたりします
手前にグッと来たり
奥にスーっと行ったり
クネッといった複雑な形は
ちょうどいい参考が都合よく手元にあるとは限らないんで
自分の手を見て形や影の付き方のイメージを模索します

木の軒下の部分が単調になりがち

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このクセはなかなか直せませんでした
「直線にならないように」じゃなくて
「軒下の部分の形を面白くする」って考え方をしはじめたら
いつのまにか直線になっていることが少なくなった気がします

幹と幹の間隔は?

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木の葉のかたまりと幹や枝の太さに
一体感が出せるようになったころ
木と木がくっつきすぎだと注意されました
木と木の距離感はどれくらいのつもりで描いているんだ?

そこで木と木の距離を観察したり
簡単な測量みたいなことを始めました

だからといって
上手く描けるようになるわけではありませんが
絵を空間として捉えるクセがついたので
やって良かったなと思ってます

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自然の森の木と木の距離はバラバラでしょうが
街路樹や公園などの管理された所では
木の種類によって大体の間隔が決まっているようです

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木のほかにも
窓の大きさや部屋の広さってどれくらい?とか
自分の肩幅や歩幅などを使って大雑把に測ってました

キャラの大きさに対して
どれくらいの大きさなら自然に見えるのか
といったことがリアリティーにつながる
と思うので
色々なものを自分の体との対比で覚えることで
描くときにも説得力を持って描くことができるようになります

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初心者におすすめの木の練習方法は
人によって微妙に考え方や描き方が違うので
できれば同じ人が描いた木を
(画集やアニメ作品を1つに絞るなど)
遠景から近景の順に模写することです
遠景の方が省略されている分
情報量が少ないので理解しやすいと思います

最初から近景の木を模写しても
情報量が多くて理解しにくいので
シンプルな遠景から
色やタッチの意味を考えながら模写することで
少しずつ理解できるものを増やしていく
方が良いでしょう

まとめ

木が上手く描けない原因は知識不足かもしれません

当たり前のように木を描いている人が
当たり前のように考えていること、気を付けていることを
知らないだけかもしれません

このまとめがきっかけで木に興味を持ったり
実際に手を動かしてもらえると嬉しいです