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どちらの面が明るくなるのか?は光の経路で考える

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問題です
下の図で照明がついた場合
AとBのどちらの部分が明るくなるでしょうか?

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答えはBです

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僕はアニメ背景の新人時代に
このような壁を描く場合
何を根拠にどう考えればいいかわからず
何となく、どちらかの面を暗くしていました
先輩に聞いても
どっちでもいいんじゃない?と言われた気がします

そして毎回、描き終わってから
帰宅後に風呂場の照明を見て
あっ!こっちが明るくなるんだと気付くのです

さすがに何度目かに
数か月ごとに同じことで悩んでは時間の無駄だし
毎回違う結果というわけにはいかないなと思い
自分なりに根拠を考え観察し始めました

身近なものは 見過ごしがち
あらためて考えたことがないようなことが多いです
絵に説得力を持たせるには
日常でどれだけ身の回りのものに対して
興味や疑問を持てるかが鍵
になってきます
身の回りを観察してきちんと理解しようとしている人と
そうでない人とでは大きな差になります

次に、どちらが明るくなるのか?問題で
同じように悩んだのが
下の図のような逆光の壁の厚み部分や窓枠です
下図でBとCはどちらが明るくなるか
理由を考えてみてください

これらは物理的に正しいかどうかの話ではありません
絵を描くときに根拠をもって描けるかどうかの問題です
参考がなくても絵として描かなければならないときに
判断材料となる根拠が自分の中にあるか?という話として
考えてみてください

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あらためて考えてみると
理由を考えるのは意外と難しいのではないでしょうか

物理的に正しいかどうかはわかりません
僕は次のように考えています

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Bの方が暗くなっている絵を見たこともあるので
絵として意図的にそのように描く場合もあると思いますが
僕は上のように考えています

では
昼と夕方は同じでしょうか?
違いがあるとしたら、どんな可能性が考えられますか?
考えてみてください

以下に仮説を立ててみました

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直進、回折、反射、光源からの距離などの光の性質を考えて
どんな明暗になるかを考えるクセを付けると
身の回りの観察にも興味が出てきます

覚えるのは光の性質だけで十分です
光のたどる道を想像してみてください
根拠や考え方が身につくと
見過ごしていた光の美しさや面白さに気付けるようになって
ますます描くことが楽しくなり、表現の幅も広がると思います