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「塗る順番」で「選ぶ色」が違ってた!ということに気付いた話

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みなさんは絵を描くときに
どのようにして色を選んでいますか?
明度や色相、彩度、色温度といったものを使って
見た目や好み、自分ルールといった様々な方法で
色を選んでいると思います

僕は最近デジタルで絵を描く機会が増えたんですが
フォトショップのカラーピッカーで色を選んでいるときに
ふと違和感を感じた瞬間があったので調べてみました

その結果
明るい色を選ぶ場合と暗い色を選ぶ場合で
色の選び方が違った

ということに気が付いたんです

もし、なんとなく色を選んでいるという方は
僕と同じように
同じ画面内でちぐはぐな色の選び方をしていて
整合性がなくなっている可能性
があります

この記事を読むことで
もしかしたら改善のヒントが見つかるかもしれません

 

実験内容

ある基準の色に対して
「明るい色を選ぶ場合」と「暗い色を選ぶ場合」で
「選んだ色」と「色を選んだ理由」を確認しました

具体的には下の図のように
塗り始めの色と塗る順番を変えても
同じような立方体の絵になるのか
を確認しています

*今回の実験では色相については考慮していません
自然光や蛍光灯などの白っぽい光を想定しています

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実験結果

実験結果としては
中段の右側にある図がわかりやすいと思います

描きあがった2つの立方体は
似ていますが同じにはならない
という結果になりました
この図での一番大きな違いは
一番暗い部分の彩度差です

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明るい色を選ぶときは
明度が高く、彩度が少し低くなる
ような色を選んでいました
「光は明るくて白っぽい」と考えていたからです

では暗い色を選ぶときはというと
明度が低く、彩度が低い色
を選んでいました
「影は暗く彩度が低い」と考えていたからです

今まで深く考えもしなかったことですが
この「光は明るくて白っぽい」「影は暗く彩度が低い」
という考え方は必ずしも両立しません
両立する場合もあれば両立しない場合もあります

画面内で彩度がちぐはぐにならないようにするにはどうすればいいか
その対策について次で考えようと思います

矛盾しない2つの対処法

  1. 「光は明るく低彩度」=「影は暗く高彩度」か
    「光は明るく高彩度」=「影は暗く低彩度」
    と考える

  2. 常に中間色を基準として色を決める

1.「光は明るく低彩度」=「影は暗く高彩度」か
「光は明るく高彩度」=「影は暗く低彩度」と考える

どういうことか説明します

下の図の右下のグラフでは矢印は左上を向いています
つまり基準色に対して
明るい色ほど彩度が低くなっています
逆に明るい色を基準にしたらどうでしょう?
暗い色ほど彩度が高くなります

もし下のグラフで
矢印が右上を向いていたらどうなるか?というと
明るい色ほど彩度が高くなり
暗い色ほど彩度が低くなります

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「明るい色の彩度を低くするなら暗い色の彩度を上げる」
「明るい色の彩度を高くするなら暗い色の彩度を下げる」
この2つは両立できません
同じルールで明るい色も暗い色も選ぶには
二者択一しかないのです

メリットとデメリット

メリット
一番明るい色だろうが暗い色だろうが
どの色を基準にしても明度、彩度のつじつまが合う

デメリット
彩度が一番高い色は一番明るい色か一番暗い色のどちらかになるため
明度や彩度のバランスが取りにくい

2.常に中間色を基準として色を決める

中間色を基準にして
明るい色も暗い色も彩度を低くする

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メリットとデメリット

メリット
中間色の彩度が一番高くなり、明度と彩度のバランスが取りやすい

デメリット
常に基準となる中間色を決めてから色を選ばなければならない

補足

下の図のように
フォトショップのカラーピッカーをグレー表示した場合
同じ明度であるはずの色であっても
彩度が高くなるにしたがって暗くなっている

画像

このカラーピッカーで明度と彩度を考察するには
疑問が残る

まとめ

今まで
暗い面は明るい面より彩度が低いと思ってたので
暗い色ほど彩度を高く描く
なんて考えもしませんでしたが
調べてみたら無意識にそう描いてました!
「一番暗い色」→「明るい色」→「さらに明るい色」の順に
明るい色の彩度を下げた色選びが
まさにそういう描き方だったんです!

原因は
「光は明るく低彩度」ならば「影は暗く高彩度」になる
ということが頭の中で結びつかず

暗い色を選ぶときは常に彩度を下げていたからだと思います

今回、自分の色の選び方を検証してみて
自分の思い込みの原因がはっきりしました

今後は
描く手順で色選びがちぐはぐということも減り
画面内の一貫性の精度が上がると思います

もし無意識に色を選んでいるという方は
一度、自分が色を選んでいる根拠や手順を
確認してみてください

すぐに見違えるような結果が出るような手軽なものではなく
手間もかかり面倒ですが
無意識を意識することで
改善できることが見つかるかもしれません

おまけ

実際に明度、彩度の分布はどうなっているのか
緑の球を写真に撮って調べてみたら
影の方が彩度が高かった!
下の図に近い結果となりました

再現性は保証できませんが
自分で試してみることを薦めます
明度、彩度、色相の関係性の理解が深まりました

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