残念ながらストーリーには一切触れていません
観たときに感じたこと
思い出したことを
書きました
アニメ背景経験者の中には
この作品観て、こんなこと考える人もいるんだな~
くらいの軽い気持ちでお読みください
上は手塚プロダクションの公式チャンネル
本編冒頭の3分間の映像です
この映画を最初に観たのは
大学生のころ映画館だったと思います
次に観たのはいつだったか覚えていませんが
観るのは今回で3回目ではないかな
最近、1990年前後のアニメ映画を
見返えしているんですが
縛りがあった方が作品を選びやすいので
大友さん関連の作品を見続けています
この作品を見る前に
DVDのパッケージを見て気付いたんですが
大友さんは監督じゃないんですね
てっきり大友さんが
監督なんだとばかり思ってました
なんで大友さんが監督だと思ったのか?
理由を考えてみると以下のように多くあります
- 赤、青、緑など派手な色のビル
- 赤から緑、赤から青など
- シーンによって支配色がガラッと変わる
- スチームパンクや血管のような配管
- なんか凄そうなイス
それなのに
今回、大友さんは脚本ということに驚きました
上記の特徴って
どれもストーリー展開ではなくて
映像的な特徴ですよね
美術設定や絵コンテに関わらなくても
脚本の書き方で
ここまで世界観を作れるんだな~と
ここまで書いて思い出しましたが
以前、読んだ本に
「熱血スーパーロボット」ものと「シリアス宇宙もの」の場合
セリフ回しや状況説明の詳細度などによって
脚本を読んだ人の頭の中の情報量やイメージの具体性を
コントロールできるので
ギャグよりかシリアスよりかを書き分けることができる
といったような作例がありました
脚本の文体の違いで
こんなにも頭に浮かぶイメージって
変わるものだなと実感しました
もしかしたら
脚本の影響じゃなくて
アキラなどの大友さんの作風を
他のスタッフが知っていたという影響かもしれませんが
興味のある方は
ご確認ください
他に感じた特徴としては
3DCGの使い方があります
この作品が公開されたのは2001年
まだ、ほとんどの背景会社が
絵具で背景を描いていた時代です
メトロポリスでは
レイアウトに3DCGを使っているんだろうな
といったシーンから
背景自体が3DCGだろうなと思われるシーンもありました
背景が3DCGのパートと手描きのパートの
折り合いのつけ方ですが
手描きか3DCGか見分けがつかない
といった方向を目指すのではなく
あえて床一面に敷き詰められた同心円などといった
デザインにすることで
手描きじゃ絶対無理、3DCGだからこそだね!
という見せ方に振り切ったんだろうなと
感じました
そのおかげで
3DCG、手描き背景の両方の持ち味を損なうことのない
当時最高の技術力を見ることができたんだろうなと
思います
また豪華列車の客席のようなシーンが
あるんですが
そのシーンの背景が絵画的というか
日本のアニメでは見慣れない雰囲気のように感じました
メモリーズの「彼女の想いで・・・」の
家族の食卓のシーンでも同じように感じました
日本の初期のアニメに関わった人の中には
画家志望や役者志望が職に困って始めた
という話を聞いたことがあります
おそらく
第一世代、第二世代といった方たちは
憧れの画家や銀幕のスターになれなくても
自分も同じ映像を作っているんだ!といった想いで
アニメを作っていたのではないでしょうか
確かな情報ではありませんが
アニメの初期の頃の背景は
少しでも安く早く描くために
油絵、日本画などを美大で学んでいた人たちが
知恵を絞って
日本画の筆でポスターカラーを
油絵のように使うといった
今に続く技法を編み出したと聞きます
僕の親の世代の背景の先輩は
漫画家になれなかったから
絵を描く仕事って聞いて就職したけど
アニメなんて観たこともなかったと言っていました
世代が進むにつれてアニメが普及してくると
最初からアニメに憧れて背景を志すようになってきます
僕がメトロポリスを観て感じた
絵画っぽい、アニメ背景っぽくないといった雰囲気は
2000年頃の作品が最後なのかもしれません
まだまだ
1990年代の作品を観ようと思っているので
アニメ背景っぽくない背景に注目しようと思っています
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