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画面全体に色をのせたら、手前から仕上げる3つの理由

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仕上げは遠景からって
思っていませんか?

実は遠景から仕上げると
作業効率悪いんです

 

手前から仕上げる3つの理由

  • 一番強いコントラストの基準を作ることができる
  • 最後に遠景を微調整する手間を省ける
  • ペース配分がしやすい

まあ人によって
どこから仕上げるかは
バラバラでしょうけど

背景会社に就職してから
「地塗りの後は手前から描き込んだ方が
二度手間が少ない」と先輩に言われて
作業手順を直しました

では説明します

手前から仕上げる3つの理由

一番強いコントラストの基準を作ることができる

遠景から仕上げた場合
手前ほどコントラストを強くしようとすると
途中で黒や白といった
これ以上の色が作れないってことに
なりかねません
そこまでいかなくても
近景の影色が黒っぽくて汚く見えるって
ことになりやすいんですよ
遠景から色味を調整し直すのは二度手間ですよね

だから最初に近景で
一番暗い色と一番明るい色を使って
コントラスト幅を決めておく
二度手間が減らせるんです

最後に遠景を微調整する手間を省ける

また遠景から仕上げてしまうと
遠景で必要以上に頑張りすぎていたり
影が弱すぎたりで
最終的に遠景を調整しなきゃ
ならなくなることもよくあります
これも二度手間です

ペース配分がしやすい

ペース配分についてですが
想像してみてください

  • 元気なうちに近景を仕上げてしまって
    次第に描き込みを減らしていく場合
  • 遠景から仕上げて段々がんばらなきゃいけない場合

どっちがペース配分しやすいですか?

段々がんばらなきゃならないって
どれだけ時間かかるか想像できませんよね?

仕事で描いている以上
所要時間を推定できないのは致命的です
遠景から仕上げるのは
危険なんですよ

場合によっては
中景を仕上げて
それを基準に遠景と近景を
仕上げることもあります

まあ制限時間がなければ
どこから描いても
いいと思いますけどね

以上
意外と知られていない(かもしれない)
プロの裏技でした

参考

ちなみに下の図で
画面一番上が
地塗り(湿らせた画用紙が乾く前に画面全体を塗る)
のあとにエアブラシで画面全体の明るさと色味を調整した状態

次に2番目の絵でダーツと看板から塗りました
この段階で作った空間を壊さないように
手前から仕上げていきます

天井の電球を
この段階で塗ったのは
光源が明度と彩度が一番高くなるんで
一番彩度の高い色の基準にするためです
(最後にもう一段明るい色で仕上げます)

210209ジキル

これが絵具の描き込み完成
下がデジタル加工の前後比較です

最後に自分の手に絵具を付けて作った手形をスキャンして
デジタルで貼り込んで完成です

二度手間にならないようにするには
どうすればいいかを考えて
作業手順に無駄がないかを
洗い出してみてください

自分なりの手順が見つかると
無駄なところで悩む必要がなくなるので
シンプルで見やすい絵になると思います

上手く描けたかどうかだけでなく
作業手順についても考えてみてください