下の立って描いたスケッチと
座って描いたスケッチを見比べて
どちらが見慣れているとか
親しみが持てるといった感覚はありますか?
僕は最近になって
立って描いたスケッチを見ると
なんだか落ち着かないと感じるようになりました
それは
僕がアニメや映画といった映像を見慣れているため
立って描いたスケッチが
登場人物視点という特殊なカメラアングルのように
感じ始めてしまったからだと思います
どういうことか
詳しく説明します
下の図のように
カメラの位置(アイレベル)を
立っている状態の「目」と「胸~腰」の2つを考えます
(低いイスに座った目の高さは腰くらい)
アニメや映画の場合
特に演出意図のないフラットな映像は
腰~胸の高さにアイレベル(カメラ)を
持ってくることが多いようです
それより高い目の位置にカメラを持ってくると
登場人物視点という演出意図が入ってきます
また、今回の参考にはありませんが
それより低い場合は
ひざの位置にカメラを置くことになるため
猫や犬などの動物の視点のようになります
試しに先ほどのスケッチに
人物を配置してみます
立って描いたスケッチの場合
立っている登場人物視点の映像に近い絵になり
座って描いたスケッチは
アニメや映画の演出意図のないフラットな映像に
近い絵になります
違いがお分かりいただけたでしょうか?
「人物あり」の絵を見た後だと「人物なし」の絵も
スケッチではなく「映像」として
認識できませんか?
僕は立って描いたスケッチを
登場人物視点の特殊な映像のように感じてしまいますが
立って自分でファインダーを覗いて撮った写真や
YouTube、TikTokなどの映像を見慣れている人は
むしろ見慣れている画像に感じるかもしれません
生まれたころから
YouTubeを見て育ったという人は
おそらく後者になるのでしょう
このことは環境や時代によって変わっていくことなので
良い、悪いの問題ではありませんが
もしアニメや映像に興味がある方は
資料写真を撮る場合も完成映像を想定して
目の高さ以外にも
胸~腰、ひざの高さからも
写真を撮ってみてはいかがでしょうか
参考資料の幅が広がるだけでなく
カメラの位置による映像の印象の違いに
気が付くことができるようになると思います
僕はとりあえず
胸の高さに目が来るようなイスを探して
スケッチしてみようと思います
自然な画面に感じるかどうか楽しみです