他の人は
どうやって混色してるんだろう?
なんて考えたことはありませんか
僕も他の人の混色方法に興味がありますし
もっといい方法があるのではないかと
今も混色方法を模索している最中です
ここ半年くらいの間
絵が上手い人の混色方法の根拠が知りたくて
混色についての本を何冊か読んだので
僕の今の混色方法とあわせて紹介します
もともと混色が苦手だった僕は
アニメ背景会社に就職してから
おもに透明水彩の入門書などを読んで
混色方法を身につけました
なるほどと思うたびに新しい考え方を取り入れて
今では混色をするときに
基本的には3つの考え方を混ぜて臨機応変に混色しています
その考え方とは次の3つです
- 赤青黄でグレーを作る
- 彩度を「落とす混色」「落とさない混色」を使い分ける
- グレーに色を付ける
詳しく説明していきます
赤青黄でグレーを作る
僕が最初に混色の苦手意識がなくなったのは
この「赤青黄でグレーを作る」方法を知ったからです
絵具の3原色といった場合
・レッド(R)・ブルー(B)・イエロー(Y)のRBY
・シアン(c)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)のCMY
2つの方法があります
僕が教えてもらった方法は
下のようにRBYに近いもので
明るい色はピンク・ライトブルー・レモンイエロー
暗い色はピンク・コバルトブルー・ローアンバー
で作ります
なぜ苦手意識がなくなったかと言いうと
「もっと赤っぽい」「もっと青っぽい」といった具合に
シンプルに考えることができるようになったからです
それまでの僕は
赤っぽい緑を混ぜたりして
微妙な色を作るのに微妙な色を使っていたので
自分が何をしているのかわからない迷子状態になっていました
「赤青黄しか使えない」という
選択肢の少なさが理解しやすさにつながりました
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240124三原色でグレー-140.jpg)
絵のほとんどの色はグレーと言われますが
アニメ背景で描くものは板や壁、地面など
グレーや彩度の低い色がほとんどなので
迷わずに速くグレーを作ることが重要になります
具体的には下のようになります
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/混色(白F4F5F7).jpg)
この混色方法については
以下のリンクで詳しく解説していますので
詳しく知りたいという方はご覧ください
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240118グラデ-140-e1705817338654-320x180.jpg)
参考書籍
3原色を使った混色を解説している本を紹介します
同じ3原色でも
CMYとRBYには違いがあります
すべて試したわけではありませんが
CMYは発色がいいが逆に彩度が低い色が作りにくい
また真っ赤、真っ青などが作りにくい
RBYは赤青黄がわかりやすいが
混色すると彩度が低くなりやすい
という一長一短があるようです
興味があるようでしたら
2,3冊目で使用されている絵具で
実際に試してみてください
6色+白だけで多彩に描ける本格入門!
上記の本は油絵ですが
・パーマネントイエローライト・オリエンタルブルー・キナクリドンマゼンタ
・インディアンイエロー・ウルトラマリン・クリムソンレーキ
「固有色の赤青黄」「影の赤青黄」+白の6色で描く方法を解説しています
ピンクやライトブルーなど
使っている色が違いますが
基本的な考え方は僕の方法に近いと思います
色相や彩度などの解説は詳しくありませんが
制作過程が丁寧に説明されています
(著)
青江健二こちらは
透明水彩の赤青黄(RBY)で描く技法書です
下図のように色相環を満たすのに必要な
・ピロールレッド・フタロブルーレッドシェード・イミダゾロンレモン
を使用しています
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20231212簡易12色相環2-140.jpg)
こちらも
色相や彩度などの解説は詳しくありませんが
赤青黄の混色比率などがわかりやすく記載されているため
基本的な混色の感覚が理解しやすいと思います
この本は読んでいませんが
アマゾンのリンクから「サンプルを読む」を見てみると
・キナクリドンマゼンタ・フタロブルーイエローシェード
・イミダゾロンイエロー(ホルベイン)
とあるので
同じ「3原色」表記でも
上の本とは違いCMYの3色を使っているようです
(RBYでの混色の比較に載せておきます)
彩度を「落とす混色」「落とさない混色」を使い分ける
この三角色環に出会って
一気に混色が楽しくなりました
残念ながら「色の技法」は絶版です
他にも同じ著者の本を何冊か立ち読みしましたが
この本以外に三角色環は載っていませんでした
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240123三角色環1-140.jpg)
具体的に何が衝撃的だったかというと
色が連続的に並んでいる円状の色相環と違って
「同系色の領域」を超えた色同士を混ぜると彩度が下がる
というものです
これによって
彩度を「下げたいのか」「下げたくない」のか
という観点で混色ができるようになりました
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240123三角色環2-140.jpg)
グレーに色を付ける
最後の方法は半年くらい前に
たまたまYouTubeで知った方法なので
まだ本格的な練習はしていませんが
これを使いこなせたら
今までとは違った色使いが
できるようになるだろうなと思っています
僕が透明水彩の技法書で混色を学んだからかもしれませんが
黒やグレーを使うという発想がありませんでした
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240125グレー比較1-140.jpg)
僕が見たYouTubeでは
透明水彩を使っていたので絵具の名前は上図と違いましたが
グレーを基準にして色を付けて
暖色のグレー、寒色のグレーを作ると言っていました
確かに3原色を混ぜていては手間がかかります
これは目から鱗でした
「暖色」「寒色」と「明度」をシンプルに作れるようになれば
絵の考え方や色使いも変わってくるんじゃないかなと思います
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2024/01/20240126寒暖のグレー-140.jpg)
また最近読んだ本によると
印象派をはじめとした多くの画家たちが
「純色+白」「純色+黒」といった色の作り方をしていたようなのです
(油絵の経験がほとんどないので詳しくはわかりませんが)
ならば
できるだけ同じ色を使って模写をしてみたいと思いました
今までとは違った混色方法で模写をしてみれば
今まで以上に気付くことがあるんじゃないかと期待しています
参考書籍
この本は
見た色をそのまま絵具で再現することに特化していて
色相、明度、彩度が詳しく解説されています
僕が混色が苦手だった理由は
30色の絵具を使って
色相、明度、彩度を同時に満たす組み合わせを
探していたからです
この本のように
3つをバラバラに考えることができていれば
もっと早く混色を身につけることができたんだろうなと思います
この本の混色方法は暖色、寒色のグレーを作るというものではなく
上図の①に近いものです
目の前の作りたい色を混色で作るときに
以下の順に色を判別して再現します
- 色相を判別する(色相環でどの色に近いか)
- 明度を判別する(7段階でどの明るさか)
- 彩度を判別する(7段階でどの彩度か)
この本には練習問題も載っていて
「光や影の色の知識がなくても
見た色がそのまま作れれば静物画が描ける!」
といった内容です
長年アメリカで美術教育に関わってきた方の本なので
まるで授業を受けているかのようなステップを踏んでいます
集中的に混色を身につけたい方に
おすすめです
この本については
下記の記事で詳しく書いています
![](http://www.gotonojisyuushitu.com/wp-content/uploads/2023/06/20230515田んぼ道-140-320x180.jpg)
まとめ
最近本屋で水彩画などの技法書を見ても
この色とこの色を混ぜて描いていますといった
内容のものがほとんどで
色相、明度、彩度にまで触れて
混色の根拠が書いてあるような本を見かけません
僕ですら1つの考え方で混色をしているわけじゃありませんから
おそらく
1冊の本にまとめられるほどシンプルな問題じゃないのでしょう
とりあえず
僕が身につけた順に3つの混色の方法をまとめました
これから混色を学ぶ方の参考になればうれしいです