忘れられない!社長からのアドバイス PR

「きれいな景色の絵」と「身近なものの絵」

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アニメの専門学校に通っていたときに
背景会社見学でスケッチブックを観てもらったら

「きれいな景色ばかりじゃないか!!
なんで、もっと身の回りのものを
描かない!!」

背景会社の社長に怒られました

「身の回りのものも
きちんとした目を向ければ
美しさに気付くはずだ」

そのときは
なんで怒られているのか見当もつきませんでしたが
10年以上たって

  • 「きれいな景色」ばかり描く
  • 「身近なもの」を描く

の違いに思い当たることができてきました

結論から言うと

きれいな景色ばかり描いていたときは
「描きたい!」と思えなければ
描きませんでした

身近なものを描いていたときは
同じものを何回も描いていたので
条件の違いに気付くことも多く
朝昼夕など
どんどん違う条件で描いてみたいと思うように
なっていきました

趣味で描いているのであれば
どちらでもいいと思いますが
プロになりたいのであれば
どちらがいいかは考えるまでもありません

おそらく社長は
そのことを言っていたんだと思います

ちなみに上の絵は
背景会社見学から帰ってから描き始めた
身の回りの箱や辞書、紙などと
背景会社就職2~3年目に描いた自室のスケッチです

 

・「きれいな景色」ばかり描く
・「身近なもの」を描く
について詳しく説明します

きれいな景色ばかり描くデメリット

  • 晴れていないとスケッチしない
  • 描く習慣が身につかない
  • アニメの背景にきれいな景色は
    ほとんど出てこない

きれいな景色ばかり描いていたときは
天気がいい日に
川や公園などの絵になりそうな
きれいな景色の場所に遠出していました

雲ってきたり
描きたいと思える場所が見つからないと
描きませんでした

「描きたい!」という
モチベーションに頼っていたんだと思います

結局、条件がそろうこともあまりなく
めったに描けなかったため
描く習慣というものは身につきませんでした

また
これは背景会社に就職して気付いたことですが
背景を描いていて「きれいな景色」は
意外と描く機会がありません

背景のほとんどが
室内や主人公の家の周辺などで
壮大な景色は各話数の冒頭で使われるような
状況説明用の「街の俯瞰」といったカットくらいです

もちろん
そんな決めカットは新人が担当することはありません

きれいな景色ばかり描いていても
腕を見せる機会は少ないんです

身近なものを描くメリット

  • 実物を見て描ける(遠出をする必要もない)
  • いつでも描けるから習慣化しやすい
  • 朝昼夕晴曇雨雪いろいろな条件で描ける

身近なものを描くメリットは多いです
一番のメリットは
いつでも描けるから習慣化しやすいこと

これは作業部屋の窓からの景色です
負担にならないようにラフな感じで
1年と少しの間に9枚描きました

飽きっぽい性格ですが
毎回状況が変わるので
描くのが楽しみになりました

時間帯や画材を変えて
同じものを描くことは
毎回違うものを描くよりも
気付くことや反省点が多いので
「次はあれをやってみよう」
「もう一回やってみよう」と
次につながりやすいと思います

下の絵は作業場から徒歩15分圏内で
描いたスケッチです

僕の場合は
「絵の上達」にフォーカスをあてるよりも
「好奇心を満たすための確認」にフォーカスして
実際に描いてみて疑問を確認することのほうが
楽しく続けることができました

人それぞれ適性があると思うので
自分は何に興味を持つのか?を考えて
続けるための工夫をしてみてください

まとめ

いかがでしょうか

正直、学生の頃や新人の頃は
「身近なものを描く」意味が分かりませんでした

しかし今の僕にとっては
「描き続けるための工夫」
「描きたいと思えるポイントを探す工夫」など
直接描くこと以外のことの方が大事だったんだなと思います

 

身の回りのものに
目を向けるようにしてください

できれば簡単にでもいいので
スケッチしてみてください

描いてみると
意外と多くのことに気付けるので
色々なものを描けば描くほど
身の回りのものの解像度が上がっていきます
カッコよさにも気付けるようになります
絵の説得力も増します

身の回りのものを描くことが習慣化すれば最強です

好循環が生まれます

ぜひ
そんな最強の好循環を手に入れてください
きっと日常生活が楽しくなりますよ!