忘れられない!社長からのアドバイス PR

描くものを触って確認してたら、絵を空間として認識できるようになった

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触れるものは何でも触れ!

硬いか?柔らかいか?
ツルツルか?ザラザラか?
カメラからどれくらい離れてるんだ?

お前が描いてる木の裏側や側面にまわり込んだら
どう見えるんだ?
周りの木とどれくらい離れてるんだ?

想像して描いてるか?

3面図みたいに
俯瞰で観たら
どんな配置かとか
側面から見たら距離感はどれくらいかとか
空間として考えてるか?

表面上の薄っぺらい絵を描くなよ
自分の記憶や感覚を総動員して描け!
そのために
とにかく触って感覚を覚えろ!

 

アニメ背景会社に就職して3ヵ月後くらいだったかな?
研修が終わって
仕事に入ってすぐくらいに
社長から言われたアドバイスだったと思います

触って感覚を覚えた具体例

その後は
とにかく触ったり
指や手のひらの大きさと比べたり
歩いて歩数を数えたり
両手を広げて測ったり

階段を描くときは
一段は膝の半分くらいか?1/3くらいか?と
とにかく具体的に体を使って測りました

背景を描きながら
「これくらいの太さ」
と指で太さを確認しながら描いたりしてました

視点の変化

そのおかげで
(最初は何を言っているのか
よくわからなかったのに)

「もし、このキャラが自分だったら
手の届く距離にある家具の太さや厚みは適切か?」

といったように
画面内のキャラになりきった感覚から始まり

「この絵の場合
カメラの位置を考えるとナメてる柱が細すぎるな」

と1、2年経つ頃には
完全にキャラを客観視した状態で
画面空間をイメージして
キャラを撮影している感覚になっていました

キャラ対比での説得力が
キャラを中心に狭かった範囲が
だんだん広がっていく感覚です

 

アニメーション背景のリアルとは何か?

アニメーション背景のリアルとは何か?
と考えたときに
大切なのは背景単体でのリアルではなく
キャラを含めた絵としてのリアルや説得力が必要だと思います

あくまでもキャラに対してのリアルや説得力
「それっぽさ」が必要なんです

僕はものの太さや厚みといったものにこそ
リアルを感じます
質感は、その次です

いくら質感がリアルであっても
キャラに対して細すぎる柱や折れそうなイス
薄すぎる壁にリアルは感じません

絵に説得力を持たせるには
画面内に入り込んだつもりで
1つ1つ自分の身体で感じた情報を投影していくしか
なかったんだろうなと思います

まとめ

社長にアドバイスの真意は確認していませんが
この言葉のおかげで今があると思っています

表面上の薄っぺらい絵を描くなよ

自分の記憶や感覚を総動員して描け!
そのために
とにかく触って感覚を覚えろ!

少しでも
そうかもと思っていただけるようでしたら
厚み、手触り、広さ、温度など
1つずつ自分の体で感じた
感覚を大切にしてみてください

1つずつ、すこしづつ
画面内に説得力が増えていくと思います