僕は現在
水彩絵の具を使うことが多いんですが
ポスターカラーや透明水彩、アクリルガッシュを使う時に
「茶色」はあまり使っていません
赤や青、黄、緑などの色の彩度を落とすときに
バントアンバーやローアンバーなどの
「茶色」を使うくらいです
茶色く塗りたいときは
「赤」や「紫」と「緑」の混色で作っています
茶色を混色で作るメリットは以下の5つ
- 段階的な明度の茶色を作ることができる
- 彩度を想像しやすい
- 茶色をベースに混色するより発色がいい(個人的な感想です)
- 反対色である「赤」~「緑」まで連続的な色を作ることができる
- 「茶色」というイメージに縛られずにすむ
順に説明していきます
ポスターカラーで明るい茶色を作りたい場合は
下図のように2つの方法があります
- 茶色の水分量を多くする
- 白を混ぜる
白だけでは白っぽくなってしまうので
赤や黄色などを混ぜて彩度をあげる必要がある
しかし
それぞれ以下のようなデメリットがあります
水分量での調節のデメリット
- 水が多すぎると発色が悪くなる
白などを加える調節のデメリット
- 発色がよくない
- 彩度がわかりにくい
そこで下図のように
「赤や紫」と「緑」の混色で「茶色」を作ります
この場合、上図のように
使う色の明度の組み合わせで
作りたい明度の茶色を作ることができます
この時に
赤が「黄色っぽい」か「青っぽいか」
緑が「赤っぽい」か「青っぽい」かに注意して
彩度をコントロールします
「赤」「青」「黄」を
均等に混ぜればグレーになってしまいます
下図のように
「黄っぽい赤」と「赤(黄)っぽい緑」を混色すると
全体として青みが少ないので彩度の高い茶色になります
赤、緑ともに青っぽければ
「赤」「青」「黄」を均等に混ぜた状態に近くなり
出来上がる茶色も青っぽくくすんだ色(低彩度)になってしまいます
バントアンバーやローアンバーといった茶色は
彩度がわかりません
彩度の高さや低さを意識したい場合は
上図のように混色で茶色を作って
簡易的に彩度を把握したほうが便利です
下の図は茶色を使わず
「赤」と「緑」の混色で描いた下塗りの例です
いずれも赤と緑の比率を変えるだけなので
使う色数も少なくてすみ
赤~緑への連続した色味の変化を表現しやすいです
あくまでも
このような混色をすることがあるというだけで
茶色を使わないわけではありませんが
この混色を使い始めてから
茶色っぽいから「茶色」を使うという思い込みがなくなって
考え方の幅、使う色の幅が広がりました
茶色を混色で作ったことがないという方は
混色で一度茶色を作ってみてください
今まで「茶色」として考えていた色が
違った色に見えてくるかもしれません
茶色の解像度を上げるのに
良い練習になると思います