他の人は
どうやって混色してるんだろう?
なんて考えたことはありませんか
僕も他の人の混色方法に興味がありますし
もっといい方法があるのではないかと
今も混色方法を模索している最中です
ここ半年くらいの間
絵が上手い人の混色方法の根拠が知りたくて
混色についての本を何冊か読んだので
僕の今の混色方法とあわせて紹介します
もともと混色が苦手だった僕は
アニメ背景会社に就職してから
おもに透明水彩の入門書などを読んで
混色方法を身につけました
なるほどと思うたびに新しい考え方を取り入れて
今では混色をするときに
基本的には3つの考え方を混ぜて臨機応変に混色しています
その考え方とは次の3つです
- 赤青黄でグレーを作る
- 彩度を「落とす混色」「落とさない混色」を使い分ける
- グレーに色を付ける
詳しく説明していきます
赤青黄でグレーを作る
僕が最初に混色の苦手意識がなくなったのは
この「赤青黄でグレーを作る」方法を知ったからです
絵具の3原色といった場合
・レッド(R)・ブルー(B)・イエロー(Y)のRBY
・シアン(c)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)のCMY
2つの方法があります
僕が教えてもらった方法は
下のようにRBYに近いもので
明るい色はピンク・ライトブルー・レモンイエロー
暗い色はピンク・コバルトブルー・ローアンバー
で作ります
なぜ苦手意識がなくなったかと言いうと
「もっと赤っぽい」「もっと青っぽい」といった具合に
シンプルに考えることができるようになったからです
それまでの僕は
赤っぽい緑を混ぜたりして
微妙な色を作るのに微妙な色を使っていたので
自分が何をしているのかわからない迷子状態になっていました
「赤青黄しか使えない」という
選択肢の少なさが理解しやすさにつながりました
絵のほとんどの色はグレーと言われますが
アニメ背景で描くものは板や壁、地面など
グレーや彩度の低い色がほとんどなので
迷わずに速くグレーを作ることが重要になります
具体的には下のようになります
この混色方法については
以下のリンクで詳しく解説していますので
詳しく知りたいという方はご覧ください
参考書籍
3原色を使った混色を解説している本を紹介します
同じ3原色でも
CMYとRBYには違いがあります
すべて試したわけではありませんが
CMYは発色がいいが逆に彩度が低い色が作りにくい
また真っ赤、真っ青などが作りにくい
RBYは赤青黄がわかりやすいが
混色すると彩度が低くなりやすい
という一長一短があるようです
興味があるようでしたら
2,3冊目で使用されている絵具で
実際に試してみてください
6色+白だけで多彩に描ける本格入門!
上記の本は油絵ですが
・パーマネントイエローライト・オリエンタルブルー・キナクリドンマゼンタ
・インディアンイエロー・ウルトラマリン・クリムソンレーキ
「固有色の赤青黄」「影の赤青黄」+白の6色で描く方法を解説しています
ピンクやライトブルーなど
使っている色が違いますが
基本的な考え方は僕の方法に近いと思います
色相や彩度などの解説は詳しくありませんが
制作過程が丁寧に説明されています
(著)
青江健二こちらは
透明水彩の赤青黄(RBY)で描く技法書です
下図のように色相環を満たすのに必要な
・ピロールレッド・フタロブルーレッドシェード・イミダゾロンレモン
を使用しています
こちらも
色相や彩度などの解説は詳しくありませんが
赤青黄の混色比率などがわかりやすく記載されているため
基本的な混色の感覚が理解しやすいと思います
この本は読んでいませんが
アマゾンのリンクから「サンプルを読む」を見てみると
・キナクリドンマゼンタ・フタロブルーイエローシェード
・イミダゾロンイエロー(ホルベイン)
とあるので
同じ「3原色」表記でも
上の本とは違いCMYの3色を使っているようです
(RBYでの混色の比較に載せておきます)
彩度を「落とす混色」「落とさない混色」を使い分ける
この三角色環に出会って
一気に混色が楽しくなりました
残念ながら「色の技法」は絶版です
他にも同じ著者の本を何冊か立ち読みしましたが
この本以外に三角色環は載っていませんでした
具体的に何が衝撃的だったかというと
色が連続的に並んでいる円状の色相環と違って
「同系色の領域」を超えた色同士を混ぜると彩度が下がる
というものです
これによって
彩度を「下げたいのか」「下げたくない」のか
という観点で混色ができるようになりました
グレーに色を付ける
最後の方法は半年くらい前に
たまたまYouTubeで知った方法なので
まだ本格的な練習はしていませんが
これを使いこなせたら
今までとは違った色使いが
できるようになるだろうなと思っています
僕が透明水彩の技法書で混色を学んだからかもしれませんが
黒やグレーを使うという発想がありませんでした
僕が見たYouTubeでは
透明水彩を使っていたので絵具の名前は上図と違いましたが
グレーを基準にして色を付けて
暖色のグレー、寒色のグレーを作ると言っていました
確かに3原色を混ぜていては手間がかかります
これは目から鱗でした
「暖色」「寒色」と「明度」をシンプルに作れるようになれば
絵の考え方や色使いも変わってくるんじゃないかなと思います
また最近読んだ本によると
印象派をはじめとした多くの画家たちが
「純色+白」「純色+黒」といった色の作り方をしていたようなのです
(油絵の経験がほとんどないので詳しくはわかりませんが)
ならば
できるだけ同じ色を使って模写をしてみたいと思いました
今までとは違った混色方法で模写をしてみれば
今まで以上に気付くことがあるんじゃないかと期待しています
参考書籍
この本は
見た色をそのまま絵具で再現することに特化していて
色相、明度、彩度が詳しく解説されています
僕が混色が苦手だった理由は
30色の絵具を使って
色相、明度、彩度を同時に満たす組み合わせを
探していたからです
この本のように
3つをバラバラに考えることができていれば
もっと早く混色を身につけることができたんだろうなと思います
この本の混色方法は暖色、寒色のグレーを作るというものではなく
上図の①に近いものです
目の前の作りたい色を混色で作るときに
以下の順に色を判別して再現します
- 色相を判別する(色相環でどの色に近いか)
- 明度を判別する(7段階でどの明るさか)
- 彩度を判別する(7段階でどの彩度か)
この本には練習問題も載っていて
「光や影の色の知識がなくても
見た色がそのまま作れれば静物画が描ける!」
といった内容です
長年アメリカで美術教育に関わってきた方の本なので
まるで授業を受けているかのようなステップを踏んでいます
集中的に混色を身につけたい方に
おすすめです
この本については
下記の記事で詳しく書いています
まとめ
最近本屋で水彩画などの技法書を見ても
この色とこの色を混ぜて描いていますといった
内容のものがほとんどで
色相、明度、彩度にまで触れて
混色の根拠が書いてあるような本を見かけません
僕ですら1つの考え方で混色をしているわけじゃありませんから
おそらく
1冊の本にまとめられるほどシンプルな問題じゃないのでしょう
とりあえず
僕が身につけた順に3つの混色の方法をまとめました
これから混色を学ぶ方の参考になればうれしいです