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絵がまとまらない理由はコレ!「仕上げる能力」の身につけ方

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社長に言われた言葉「絵を仕上げる能力を身につけろ!」

アニメ背景の新人研修が終わったばかりの頃
社長からこんなことを言われました
絵を仕上げる能力を身につけろ!
みんな仕上げ方が甘いんだよ
仕事なんだから時間内に仕上げなきゃいけない
最低限どうなっていれば
この絵は仕上がっていると言えるのかを考えて
できるだけ早い段階で
絵を仕上げる能力を身につけなさい

具体的な方法を教えてもらっていないのか
教えてもらったのに理解できなかったから忘れてしまったのか
詳しいことは覚えていませんが
上記のような内容のことを言われたことは覚えています

では
「仕上げる能力」って何なのか?
いまだによくわかっていませんが
「仕上げる能力」とは
「その絵で表現できていなければならない要素を適切に表現する能力」
ということだったのかなと思います

「仕上げる能力」とは?

絵が「仕上がっている」とは
単に隅々まで丁寧に描いてあるとこではありません

レイアウトを描いた人が伝えたい「絵のポイント」が
きちんと表現されている状態のことです

例えばレイアウトを見たときに

  • 遠景の山のシルエットが綺麗に見えていれば他は力を抜いてOK
  • 入道雲に迫力があれば遠景のビル群はシルエットで十分
  • 逆光や望遠が適切に表現できているか?
  • キャラの付近の空間や質感が表現できているか

こういった「表現すべき要素」が明確であれば
それさえ表現できていれば
無駄に描き込まなくても絵として成立します
逆にどんなに丁寧に描いたとしても
その絵で伝えなければいけないことが表現できていなければ
仕事としては意味がありません

どうすれば仕上げる能力が身につくのか?

①レイアウトの意図を理解する

僕がレイアウトの意図を意識できるようになったのは
後輩の絵をチェックするようになった頃でした

僕は新人の頃、先輩に

  • 影が弱い
  • ハイライトが弱い
  • コントラストが弱い
  • 質感が出せていない
  • 逆光に見えない

など色々な指摘を受けましたが
先輩が何を根拠に判断しているのか全くわかりませんでした

でも数年後
僕が後輩の背景をチェックするようになると

  • 見せるポイントはあるか?
  • 遠近感とコントラストに破綻はないか?
  • 基本的なセオリーを踏まえているか?
    (順光か逆光か、望遠か広角か、ローポジションに見えるかどうかなど)

などを確認していることに気付いて
先輩は、こういうところをチェックしてたのか!と
やっとチェックする側の視点が理解できるようになりました

後輩の絵をチェックするようになって
「絵としてのミスはないか?」
という視点から
「レイアウトの意図が絵として表現できているか?」
という視点に変わったんだと思います

それ以降は
自分の絵も客観的にチェックできるようになりました

②「仕上げる能力」に必要な2つの力

「仕上げる能力」とは大きく分けて2つの力で成り立っていると思います

  1. レイアウトの意図を理解して表現するべき要素を見抜く力
  2. その要素を絵としてまとめる力

この2つの力を身につけて磨けば
無駄に時間をかけずに完成度の高い絵を描くことが
できるようになると思います

個人制作でも考え方は同じ!

「仕上げる能力」を身につけることは
アニメ背景の仕事に限らず
個人でイラストを描くときにも役立ちます

  • 描き込んでも描き込んでも終わらない…
  • 絵としてまとまる気がしない…

こんな悩みを持っている方は
一度「目的」と「手段」を整理することが大切です

目的:この絵で何を表現したいのか?
手段:構図、色、画材など、どんな知識や技術・画材を使えば、それが表現できるのか?

これが明確になると
何が足りないのか(知識なのか、技術なのか)がはっきりするので
具体的に何をすべきかが見えてきます

 

まとめ

  • 「仕上げる能力」とは、単に絵を丁寧に描くことではなく
    「何を表現するべきかを理解し、それを適切に表現する力」のこと
  • 絵の仕上がりは画力だけでなく、構図・カメラ・光・色・映像演出など
    多くの知識と深く関わっている
  • 仕事でも個人制作でも「何を伝えたいのか?」「それを伝えるための手段は何か?」
    を意識すると、よりスムーズに作業が進む

もし「仕上がりが甘い」「絵がまとまらない」と悩んでいるなら
目的と手段が明確になっていなかったり
見失ってしまっている可能性があります
「この絵で一番大事なことは何か?」を考えてみることから始めてみてください!